動的領域分割メッシュを用いたキメ解析

摘要

適切なスキンケアを行うためには，肌の状態を正確に知ることが重要である．しかしながら，肌状態を知る現状の手段は，定量的な計測手法では手間や時間が掛かり，簡易な方法では定性的な判断になる．そこで本稿では肌のキメに着目し，肌画像を解析することで肌状態を簡易かつ定量的に計測する手法を検討する．キメは，「皮溝」と「皮丘」から構成されている．提案手法では，スマートフォンカメラに接写レンズを装着し撮影した肌画像から皮溝と皮丘の統計量を計測する．取得画像はノイズなどでキメが明確ではないためCLAHE（Contrast Limited Adaptive Histogram Equalization）とメディアンフィルタを施し，画質を向上させる．その後，動的領域分割メッシュを用いて領域分割を行うことで，皮溝と皮丘を抽出する．そして皮丘の面積と皮溝の方向性を算出することで，日々の肌状態変化を計測する．その結果，従来手法より高い精度でキメを抽出できた．