2015年ネパール地震被害調査報告

摘要

本報告は，ネパール·ゴルカ地震（Mw7.8）発生から約1週間後の調査により確認された構造物被害と地盤災害にっいてまとめたものである．カトマンズでは，ダルバール広場の歴史的建造物が壊滅的な被害を受けた．一方，その周辺の構造物の被害は限定的であった．また，カトマンズ市内では地盤種別に起因する振動特性の違いによる特徴的な構造物被害の分布が確認された．カトマンズ北部（トリスリ，メラムチ方面）の調査では，北へ向かうほど，構造物被害の程度と頻度が増加する傾向が確認された．構造物に関しては，組横道に被害が多く生じ，RC フレーム道の被害は限定的であった．また，トリスリでは貯水池の堤防の被害や液状化が確認された．震源地付近では，震源に近づくにつれて斜面崩壊の数と規模が拡大する傾向が確認された最後になりますが，本地震で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます．