クラウド環境における仮想マシン間通信最適化実装方式の検討－既存クラウドに対するテナント単位でのフロー書き換え

摘要

クラウド環境では，仮想マシン間の通信が仮想ルータを経由する場合，通信経路が物理的には最適にならないことがあり，筆者らはこの問題に対してコンビュートノード上のOVSへ部分的にL3機能を委譲することで，仮想ルータをバイパスさせ，仮想マシン間通信を最適化する方式を検討してきた．本稿では，この通信の最適化を既存クラウド環境で実現する実装方式について検討した内容を示す．最適化の対象としてはテナントが指示する特定仮想マシン間の特定通信とし，クラウド環境に変更を加えるのではなく独立して動作する外部システムによって最適化を実現する．