糖尿病の運動療法

摘要

運動に先立ち合併症(細小血管症，大血管障害， 足病変など)や併発症(運動器疾患，呼吸器疾患な ど）に関するメディカルチェックを行い，必要に 応じて専門診療科と連携しつつ，運動適応を判断 する.とくに糖尿病患者では，無症候性心血 管疾患への注意が必要である.軽度でも胸部不快， 息切れ，動悸など心血管疾患の存在を疑わせる症 状がある患者や，複数のリスク因子を有する患者 では，積極的に心血管系の評価を実施する.また，空腹時血糖値が250 mg/dLを超える場合や，明 らかなケト一シスをきたしている場合には，食事 療法や薬物療法によつて代謝状態を改善させた後に運動療法を追加する.