PLAS：アレーセンサを用いたパッシブ位置推定

摘要

デバイスフリーパッシブ（DFP：Device-Free Passive）位置推定は，人が何も装置を装着する必要がないため注目されている．既存のDFPシステムの多くは，受信信号強度（RSS：Received Signal Strength）を利用している．しかし，RSSを用いた位置推定は，マルチパスフェージングや雑音の影響により位置推定精度が劣化する問題がある．本稿では，信号部分空間を張る固有ベクトルに基づくアレーセンサを用いたDFP位置推定，PLASを提案する．複数の信号特徴量の組み合わせに基づくサポートベクターマシン（SVM：Support Vector Machine）を用いた位置指紋法で位置を推定し，空間平均と時間平均により誤差を低減する．提案法の位置推定特性を各伝搬環境（見通し内と見通し外）とアンテナ配置（中央配置と分散配置）において，RSSのみ用いた従来法と比較する．実験結果から，提案法は，アンテナを中央配置した場合，伝搬環境によらず従来法に比べ，高い位置推定精度を達成することを示す．