アウトフェーズ変調のためのCMOS VCOに関する検討

摘要

将来のミリ波帯通信やさらなる高周波帯無線通信では，通信システムの低消費電力化や簡素化が求められている．簡素な構成にするためは，VCOの位相を直接変調する構成が考えられる．その際に，アウトフェーズの構成にすることで，振幅制御も必要なQAMなどの複雑な信号生成にも対応でき，さらに非線形増幅器を用いて高い電力効率とリニアリティを実現することが可能となる．この構成をミリ波帯通信への適用をするために，VCOは高い周波数の発振が必要となるため，周波数逓倍機構を持つプッシュプッシュ発振器やDLLといった構成が適すると考えられる．本技報ではアウトフェーズ変調に向けた，クロスカップル型プッシュプッシュ発振器と3逓倍注入同期リングオシレータの設計と検討を行ったので報告する．