遺伝性ライソゾーム病

摘要

ライソゾームは細胞内小器官の一つである．この小胞の内部はほかの細胞内環境と異なり酸性（pH4－5）であり，細胞内で産生され，あるいは細胞外から取り込まれた高分子化合物が加水分解酵素により順序よく分解される．その連鎖反応を触媒する酵素をコードする遺伝子の一つに突然変異が起こると，酵素活性が失われる．その結果，酵素に特異的な基質がライソゾームに蓄積して細胞の機能障害を起こし，個体としての疾患として表現される.