音声対話システムにおける発話言語の韻律情報の変化に対する心理的影響

摘要

近年，コミュニケーションロボットの普及等により，音声対話システムと人が対話を行う機会が増えている．こうしたロボットは，その用途に合わせて，人と良好な対話ができることが期待されている．人間同士の対話では，自分の発話意図等を伝えるために，言語的内容に加え，非言語的なコミュニケーション要素を変化させて対話している．対人社会心理学等の分野では，人間同士の対話において，対話方法によって相手が異なる心理的影響を受けることが知られている．しかし，人と人の対話に現れる様々な傾向がそのまま，人とロボットとの対話に適用可能かについて全ては明らかではない．そこで本研究では，人とロボットの対話において，システムの応答が人に与える心理的影響を明らかにすることを目標とする．特に、本稿では発話速度に着目し，システムの発話速度に対してユーザの心理的影響がどのように変化するか検証した．