『安全なくして生産なし』を実現する安全衛生活動

摘要

2008年3月、旭硝子の社長が交代し、石村和彦が社長となった機会に「AGCグループ労働安全衛生基本方針」を改訂することとした。同時に安全衛生の基本理念を定めようとしたところ、石村より「『安全なくして生産なし』を採用する」との指示があった。『安全なくして生産なし』は、本田技研工業創業者の本田宗一郎氏が創業期より理念として掲げていた言葉である。仕事をしなければ怪我はしないので、『安全第一』は必ずしも企業活動の本質を表現していない。生産の基盤は安全になければならないという理念が製造業にとって最もふさわしいとの石村のこだわりである。このときから、『安全なくして生産なし』はAGCグループのグローバルの安全衛生理念となり、AGCグループ社員約5万人および協力会社の安全衛生理念として、次第に定着していくこととなった。