ADSL用アクセスVPNシステム構成法の提案

摘要

近年，ADSLに代表される常時接続アクセスネットワークを利用した中高速のIP通信サービスが提供されつつある．従来のダイヤルアップサービスと同様に，常時接続系においてもホームユーザあるいは中小ビジネスユーザが，複数のISPあるいは事業所を選択して通信でき，また複数のユーザPCから同時に異なる接続先と通信できる必要がある．本論文では，ユーザ側ローカルネットワーク構成やユーザPCのプロトコルあるいは接続手順の変更を伴わずに複数接続先との通信を可能とする方式について述べる．プライベートIPアドレスが使用されているネットワークからDNSを利用した通信を可能とするためのDNSとNATの連携機能，及びユーザPCの設定変更を不要とするためのPPP-Proxy機能を用いたシステム構成を提案する．アクセス系プロトコルとして，PPP-over-Ethernet及びL2TPを用いた実現方法とその適用形態を示す．