雑音耐性に優れた可視光通信の検討

摘要

近年、地上ディジタル放送や無線LAN、携帯電話など無線通信の急速な発展に伴い、通信に利用可能な電波数資源が枯渇している。そこで、電波よりも波長が短い光波を利用した無線通信が検討され、その中でも現在急速に発展し普及を遂げている発光ダイオード(Light Emitting Diode：LED)などを活用した。「目に見える光」に情報をのせて伝送する可視光通信が実用化に向けて、研究·開発が進められている。しかし、可視光通信では太陽光や環境光などの外乱光の影響を受けるという欠点が存在する。そこで本研究では外乱光に弱いという可視光通信の欠点を克服するべく、無線通信で利用および発展している直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplex：OFDM) 方式で使用されているフーリエ変換(Fourier Transform) に着目し応用した。フーリエ変換を用いて離散周波数に多値信号の情報を割り当て変調し、周波数を高速に切り替えて送信することにより、耐雑音性に優れた通信方式を提案する（図1参照）。また、シミュレーションおよび実機における誤り率（Bit Error Rate：BER）特性を測定し、提案方式が低誤り率であることを確認した。