メタデータ流通基盤

摘要

本稿は、デジタル技術の本質に立ち戻ってデジタル·コマースの課題を考える。 次に、ITを基盤とした活気ある社会(Hot on IT)のためには家庭や個人からの情報発信文化の形成が重要であり、それを支えるコンテンツ工学が重要であることを述べる。 そして、IT社会の実現には、ネットワークとコンテンツの連携が必要であり、それを可能とするメタデータ技術について述べる。 最後に、デジタル時代に適合した制度のあり方について述べる。 ブロードバンド·ネットワークの普及に伴い、音楽、映画、番組を初め多くのコンテンツがネットワークを介して流通するデジタル商取引（デジタル·コマース）時代が始まろうとしている。 放送と通信の融合という言葉が示すように、デジタル化されたコンテンツはデジタル放送やCDN (Content Delivery Network)機能を持ったネットワークによる流通が行われはじめている。 ブロードバンドは、従来はアクセス系にネックがあったが、ADSL、FTTHなどの進歩に伴いこのネックも解消に向かい、我が国は世界で最も低料金のブロードバンドアクセスが可能な国となった。 また、コンテンンツの容量は音楽から映像へと増加傾向にあるが、アクセス料金の更なる低下を考慮すると、デジタル·コマースにおけるネットワークネックは殆ど無くなる。