スリット型インターレーサにおけるフィラメント運動の解析

摘要

インターレース加工は，インターレーサと呼ばれる装置内にマルチフィラメント糸を走行させて，そのマルチフィラメント糸に圧縮空気を吹き付けることによって，複数のフィラメントが互いに絡まり合った交絡部と絡まっていない開繊部とを糸の長手方向に交互に生成させる［1，2］．その生成した交絡部によってマルチフィラメント糸に集束性が付加し，紙管などへ巻き取った時のマルチフィラメント糸の巻き姿が安定することにより，解野性の向上も得られる．これにより，その後の工程である梨布工程などでマルチフィラメント糸を高速で安定して扱うことが可能となり，工程自体の高速化に貢献している．また，インターレース加工でマルチフィラメント糸に生成された交絡部は製布工程後には完全に消滅しなければならず，そのこともインターレース糸の持つべき特性の一つである．