IPパケット転送に適したHECベース可変長フレームの同期特性の改善法

摘要

IPパケットを転送するレイヤ2技術として，ヘッダにHEC（Header Error Control）とフレーム長を定義した可変長フレームが提案されている．本論文では，このようなHECベース可変長フレームについて，同期状態から，ビット誤りにより誤ってハント状態になる事象（ミスフレーム）が発生しやすいことを示し，その改善法として強制2ビット誤り訂正方式を提案する．提案方式の性能を明らかにし，十分な特性が得られることを示す．その他，フレーム復帰時間，誤同期確率の観点から，最適なHECに適用するCRCの生成多項式の次数と後方保護段数を示す．同様の観点から，ハント状態，プレ同期状態のCRC動作について，誤り検出のほうが，誤り訂正よりも優れていることを定量的に示す．