急速進行性（アブレッシブ）リンパ腫に対する自家造血幹細胞移植を用いた初回治療の意義

摘要

この試験の結果は，60歳までのIPIがhigh-intermediateの急速進行性リンパ腫の初回治療として，標準的CHOP療法よりもBEAM療法#12539;自家移植を含む一連の治療を行ったほうがよい予後が期待できるということを示している．しかし，rituximabの登場により，この試験の設定が少々古いものになってしまっているという感も否めない．急速進行性リンパ腫の大部分がB細胞性リンパ腫であるが，これまでに高齢者において，CHOP療法よりも抗CD20抗体rituximabを併用したR-CHOP療法の予後が優れるということが明らかになっている．若年者でも同様の結果が得られており，すでにB細胞性急速進行性リンパ腫の初回治療としてはR-CHOP療法に代表されるrituximab併用療法が標準的に行われるようになっている．