Bi置換型快削黄銅の被削性に及ぼす材料因子

摘要

Bi添加したα＋β黄銅展仲村の，被削性に及ぼすBiの存在形態の影響について調査した。切り屑を微細に分断させるためには，Bi濃度を増加させるよりも，分散Bi粒子数を増加させ，平均Bi粒子間距離を低減することが有効であると考えられた。Bi添加による切り屑微細化機構は，切削加工熱により溶融したBiが連続体である母相を不連続にし，切り屑に伝播されたせん断力が，その不連続部に沿って亀裂となって伝播し，切り屑を分断するものと推測された。 前述の効果ならびに溶融Biがα粒界に濡れやすいことを考慮すると，Bi置換型快削黄銅の被削性を改善するためには，α粒子を微細化することが重要であると考えられた。