ネマティック液晶の実効配向係数

摘要

マイクロ波·ミリ波帯での液晶を用いた可変遅延線などのアダプティブデバイスでは，マイクロストリップライン構造がよく用いられ，マイクロストリップラインの誘電体基板部分を液晶で置き換え，準晶分子の配向を直流電圧で制御する．この場合，ストリシプ導体から離れた領域の液晶分子については，液晶の粘性やストリップラインの構造にもよるが，分子の配向を印加直流電界により完全には制御できない．従って，直流電圧印加時に液晶分子の長軸方向が高周波電界に平行になるときの誘電率の実数部ε'{sub}(//)が材料そのものの誘電率より小さな備になる．本論文ではその原由について考察し，新たに実効配向係数ηaを提案している．ネマティック液晶材料をマイクロストリップライン構造に応用する場合には，ε'{sub}(//)についての実効的な値は材料自身の誘電率に実効配向係数． ηaをかけた値にするべきであることを示している．