政府の経済引き締め政策で成長にブレーキがかかる中国

摘要

過熱した経済を冷却するため、中国政府はこの春から一連の経済引き締め政策を打ち出し次々と実行に移している。 この影響は直接的には年後半からの原料#12539;製品輸入減少となって現れるだろう。 例えば03年は、日本から中国へ197万tもの古紙が輸出された。 今年も前半の1～6月期は前年同期比＋55.5％の138万tと、昨年を上回る勢いを示している。しかし引き締め政策が末端に浸透してくる年後半には、勢いが鈍化するのは避けられそうもない。 銀行融資に対する締め付けが厳しくなるにつれ、効率の悪い設備を抱えた不採算の中小製紙工場は存亡の危機に直面している。 一方、そうした短期的な引き締め策とは別に、中国は中長期的な視点からパルプ自給率の向上、その前提となる植林面積の拡大に注力しようとしている。 転換期を迎えた中国の紙パルプ市場について最近の話題も交えながら概観してみた。