ラット糖尿病モデルの骨中音速評価

摘要

糖尿病では，骨密度や骨構造に変化がみられないにも関わらず，骨が脆弱化し，骨折のリスクが高くなることが報告されている.この一因として糖尿病等によるコラーゲン中の分子間架橋の異常が指摘されている.そこで本研究では，2型糖尿病モデルの一例であるSDT (Spontaneously Diabetic Torii)ラットと，正常SD (Sprague Dawley)ラットの骨中音速を比較することで糖尿病が骨弾性に与える影響について調べた.具体的には，顕微Brillouin散乱法を用いて縦波音速を測定したところ，SDTラットの平均音速は正常SDラットの平均音速と比較して約1.3程度低いことが確認された.