韓国からのデジタル混信評価を目指したFM放送波およびTV放送波のオーバリーチ伝搬の測定

摘要

日本と韓国の地上デジタル放送には同一周波数帯が用いられており，特に九州地方や中国地方では，韓国からのオーバリーチ伝搬に伴う同一周波数干渉（デジタル混信）が生じることが報告されている．デジタル混信の対策には，干渉レベルや送信源を評価することが重要となる．本研究では，デジタル混信を評価するため，地上デジタル放送波のRSSI（受信信号強度）およびCNR（信号対雑音電力比）に加え，FM放送波のRSSIを同時に測定する手法を提案し，実際に韓国からのオーバリーチ伝搬を測定している．本報告では，九州工業大学に測定システムを構築して得られた実測データをもとに，提案するテレビ放送波とFM放送波の同時測定により，韓国からのデジタル混信を評価した例を述べる．また，デジタル混信発生時におけるオーバリーチ伝搬をレイトレース法によりシミュレーションした結果もあわせて示す．