素材を美しく見せる成形·加工技術色むらをなくし光沢を演出

摘要

塗装やメッキなどに頼らず、3色の樹脂を一体成形して文字を表す。研磨によって光沢を出し、模様を描く。加工時の工夫で色むらをなくす－。こうした樹脂や金属の素材の質感を、そのまま生かす成形·加工技術のニーズが、特に自動車で高まっている。その背景には2000年以降、EU（欧州連合）を中心に進められる環境規制の影響で、有害物を含む塗装の使用を抑える「塗装レス」の機運の高まりがある。ただし単なる塗装レスではない。高級感あふれる「美観」が求められている。特に、樹脂化が進んでいる自動車の内装では顕著だ。この他、開発が進む自動運転システムのセンサーに使われるアクリルレンズなどの製造に、高度な研磨技術が求められている。的確なセンシングには透明度が高く、屈折率が低いレンズが必要だからだ。ユニークな樹脂や金属の成形·加工技術を持つ企業を幾つか紹介する。