閉塞した既設排水パイプの機能再生事例

摘要

現在我が国では，気候変動に起因して1時間に降水量が50mm以上となる非常に激しい雨が増加する傾向にあり， その結果として土砂災害の発生件数も増加する傾向にあ る。このような環境下で，平成26年8月には広島県に て大規模な土砂災害が発生した。これを契機に土砂災害 防止法が改正され，都道府県は土砂災害防止に関する基 礎調査結果を公表することが義務付けられた。なお， このような気候変動は降雪量にも現れており，融雪によ る土砂災害も近年増加傾向にある。また，2009年駿河湾地震での東名高速道路の法面崩壊 は，盛土内部の地下水の滞留が盛土材を劣化させたこと が崩壊の一因と考えられている。同様の被害は東日本 大震災でも発生しており,盛土内部からの排水を継続 的に確保することは，土構造物の維持管理上の重要項目 となっている。