タイヤ起源の分子指標物質であるベンゾチアゾールアミン類の路面排水中での収着挙動と汚染源の特定

摘要

路上粉塵は，側溝を経由し，さまざまな汚染物質を水環境中へ運ぶ。 路上粉塵に含まれるタイヤ粉塵の分子指標を使用することで，路上粉塵の水環境に対する寄与（負荷割合）を知ることが可能である。 この分子指標として提案されている物質としては，加硫促進剤中の不純物であるベンゾチアゾールアミン類（BTs）の2-（4-モーフォリニル）ベンゾチアゾール（24MoBT）およびN-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾール（NCBA）がある。 これらは，路面排水や河川水中に存在することが確認されているが，存在形態に関しての研究は行なわれていない。 そこで本研究では，降雨時におけるBTsの路面排水中での流失および収着挙動を明らかにすることを目的とした。