レーザー光を用いた汚泥濃度計の開発とその測定原理

摘要

汚泥濃度計は，水処理から汚泥処理までの各プロセス管理に必要不可欠な計測器として各種機器の運転指標に利用されている。現在，測定原理等の異なる汚泥濃度計が各種あるが，精度，保守性などに一長一短がある。 東京都下水道局では，汚泥の集約化処理が進められており，長距離送泥による汚泥の腐敗という課題も生まれ，時間経過とともに性状変化する汚泥を処理するためには，各処理の段階における汚泥性状を知り，脱水機・汚泥ポンプ等の汚泥処理施設を効率的に運転制御するため，きめ細かな汚泥濃度測定を必要としている。 このため，測定精度の高い汚泥濃度計の開発が望まれた。 このような要求のもと，東京都下水道局では，民間企業6社との共同研究によりレーザー光を用いた新しい測定方式による下水汚泥濃度測定への適応性について研究開発を行なった。 光学系の構成，光信号から汚泥濃度へ換算するための演算方法などを検討，開発し，さらに，試作器を実汚泥処理施設に設置し，性能評価試験を行なった結果，良好な性能を有した。