ハイビジョン液晶テレビ市場を切り開くオーバードライブ技術の現状とその課題

摘要

将来，動画が当たり前のようにLCDに表示されるマルチメディア環境が整うことを見越して，1992年，液晶材料を変えずに，中間調の応答速度を4倍以上，つまり，応答時間を1/60秒以下にすることができるオーバードライブ技術（Level Adaptive Overdrive: LAO技術）を，世界に先駆けて開発した．更に，その後も，ハイビジョンへの対応，フィールドメモリの削減，ソフトウェア処理による実現と，低コスト化と高性能化に向けて進化させてきた結果，現在では，このLAO技術は，液晶テレビを中心とするマルチメディアLCDの基盤技術になった．そこで，ここでは，このLAO技術を中心に，今後の液晶テレビ用動画表示技術開発の動向とその課題について紹介する．