ダイナミックろ過法を用いた活性汚泥処理システム

摘要

活性汚泥の固液分離としてダイナミックろ過法はわずかな水頭圧で高いろ過水量が得られることから，従来の沈殿池に比べ，数倍以上の処理能力がある。 本研究では，ダイナミックろ過法に対し，回分式基礎実験による操作因子の検討を行なうとともに連続実験によるろ過性能の検証を行なった。 回分実験では，ろ過体表面の汚泥流速および汚泥濃度がろ過性能に及ぼす影響を検討した。 その結果，汚泥流速が遅いほどろ過性能が良好であることを明らかにした。 また，汚泥濃度が高いとダイナミックろ過層抵抗の上昇によるろ過フラツタスの低下が確認された。 連続実験では，食品排水および団地下水を対象とした活性汚泥処理に対するろ過性能の検証を行なった。 その結果，MLSSが約6,000mg/lの食品排水処理では，ろ過モジュール面積当たり平均2m/d以上のフラックスが得られた。 硝化脱窒循環方式の団地下水処理では，良好なろ適性能と安定した窒素除去性能が確認できた。