連結型マイクロセルにおけるポーリング型高速パケット転送と高速移動支援制御

摘要

本稿では移動体マルチメディア通信が本格化する時代を想定した統合化移動通信網を提案し、その構成網である仮想大規模セルにおけるパケット転送方式を報告している。統合網はマクロセルラー網、仮想大規模セル、ホットスポットがIPベースのページング網で制御された網である。仮想大規模セルでは隣接する複数のマイクロセルを論理マクロセルとして構成し、論理マクロセル内のマイクロセルに多重ポーリングが発せられ、応答があったセルでパケット転送を行う。論理マクロセルは端末の移動を追随し、全体で結合されたマイクロセル群が仮想大規模セルを構成する。無応答時には論理マクロセルの中央に位置する主セルが他の副セルにも応答がないことを検知して論理マクロセル全体にポーリング再試行を指示する。複数セルからの電波が重複到来するときは論理マクロセル切り替えのピンポン現象を生じるが、地上網経由で隣接セルへの無線パワー制御を行い、無線重複を極力少なくする。また、多重ポーリングを削減して効率化を図る制御法として、主セルからの指示があるときだけ多重ポーリングを行う方式と、タイミングオーバフローしたときだけ副セルが多重ポーリングを実行し、主セルが正常に動作しているときはタイマーをリセットして、多重ポーリングを停止して無効ポーリングを削減する方式を示した。