OBSにおけるOffset Timeをバースト生成時間に利用したバースト転送特性の改善

摘要

光バースト交換方式では，バースト信号のスイッチングは高速に行えるが，バースト生成のためにIPパケットを蓄積し，オフセットタイム後に，転送を開始するため、遅延が発生するという問題がある．バースト信号の棄却率を改善する方式として，オフセットタイムを長く設定する方式が研究されているが，オフセットタイムを長くすると遅延が増大するという問題が発生する．本報告では，オフセットタイムをバースト生成時間に利用することにより，バースト転送開始までの遅延を改善する方式の提案を行う．提案方式では，既存方式より早いタイミングでバースト信号の転送を開始することが可能となるため，遅延が改善する．しかしながら，バースト信号の転送タイミングを早めるために，制御パケットに含まれるバースト長の情報を推測で作成する必要がある．本稿では，バースト長の推定については，TCPにおけるTime Out値の計算に用いられているJacobson/Karelsのアルゴリズムを使用して求める．シミュレーションを用いて既存方式と提案方式の遅延時間とIPパケットの棄却率の比較を行い，提案方式の有効性を示す．