Erasure符号によるゴシップ型ブロードキャストの信頼性向上について

摘要

P2P（peer-to-peer）システムは，クライアントとしてもサーバとしても働くようなノードの集合によって形成されたシステムであり，近年ファイル共有システムを筆頭に様々なアプリケーションに適用されている．P2Pシステムでは，システム全体にメッセージを伝達するために，フラッディングという手法が用いられることが多い．これは，各ノードがメッセージを受け取ると，隣接ノード全てにそのメッセージを転送するという手法であるが，ネットワークが大規模になるにつれてメッセージ塵が非常に多くなり，通借コストが高くなるという問題がある．そこで，コスト効率のよいブロードキャストを行えるプロトコルが必要とされている．近年の研究により，ゴシップ型ブロードキャストが，通信コスト効率の点でフラッディングよりも優れていることで注目されている．この事法では．隣接ノード全てにメッセージを送るのではなく，いくつかを選んでメッセージの転送を行う．この事怯により通信コストは大きく削減できる．しかし，この手法ではネットワーク全体にメッセージが行き届かない危険性がある．