日本歯科大学名誉教授「グレイトな佐藤亨先生」を偲んで

摘要

樺太庁豊原中学校を昭和21年3月に卒業され，昭和23年には日本歯科大学予科に入学し，予科では豊田実教授，中原実教授，解剖学では片山武夫教授，勝又正教授の教授陣から教育を受けられました.昭和30年3月に日本歯科大学（旧制）を卒業し，東京慈恵会医科大学講師で，「掘り出された江戸時代」の著書で著名な日本歯科大学の大先輩にあたる河越逸行先生を慕い，昭和32年に解剖学教室の助手になられました.慈恵時代には新井正治教授に指導を受け，解剖実習での指導はもちろん，遺体収集，管理，さらには研究と大変忙しい中，論文を残され，昭和37年に「東京都台東区神吉町から出土した江戸時代人骨の人類学的研究」のテーマで医学博士の学位授与されております.その後は，昭和39年東京都港区虎ノ門にて佐藤歯科医院開設され，臨床の道に方向転換されました.しかし，母校の強い要請で昭和51年4月に日本歯科大学歯学部講師として解剖学教室第一講座に赴任されました.同年10月助教授，昭和61年4月教授，さらには平成7年6月には第七代，日本歯科大学学長に就任されました.長年にわたり日本歯科大学での教育.研究者として献身的に母校のために尽くされ，平成12年には定年を迎え，日本歯科大学名誉教授となられました.しかし，平成13年12月には再び母校に監事として戻られ，大学の理事会の一員として定年後も大学の充実と発展のために寄与されました.