可動基線電波干渉計による静止軌道の監視

摘要

衛星通信の発展に伴い，静止軌道を利用する衛星が増加していることから，軌道位置と周波数帯の将来的な不足が憂慮されている．限られたリソースである軌道と周波数の有効な利用を図るには，まず現時点におけるリソース利用の状況を正しく把握すべきであるとの考えにたって，静止衛星を対象とする電波監視の業務が総務省により実施されている．衛星の増加が今後も続いて，軌道の利用が高密度化していくならば，軌道位置の監視にも新たな技術が求められるようになろう．本論文は，そのような背景に応じて開発を進めている軌道位置監視の技術について述べる．