私の研究開発ツール（第91回）ディープラーニングツールを使いこなそう（3）

摘要

TensorFlowは，Googleが公開したディープラーニングフレームワークである（現時点でのバージョンは0.9）．TensorFlowには行列演算やディープラーニングに関連する関数だけでなく，画像を補正したり反転したりするような画像処理の関数なども用意されている．これらを組合せて，目的にあったアルゴリズムを実装することができる自由度の高さが特長となっている．また．実装したプログラムは，組込み機器から単一の計算機，さらには大規模な分散環境で実行することもできる．TensorFlowの基本的な考え方は，全体を有向グラフとして表現し，そのグラフのノードにシンボルとして定義した変数や処理を割当てていく．そして．セッションを生成し，セッションに作成したグラフを指定して実行するような記述方法となっている．TensorFlowのコアな部分はC++で記述されて高速化が図られている．TensorFIowの関数のインタフェースには，C++版とともにpython版も用意されている．ここでは，Python版を中心に説明する．