電話会話ログ検索における距離マトリクス画像の2値化しきい値制御

摘要

電話会話の検索サービスに対するニーズはあるものの，一般の電話会話では言語モデルの構築や発話の不明瞭さの克服が難しく，実用的なシステムの構築には至っていないという現状がある．また，従来の音声コンテンツ検索技術は検索エントリーはキーボードやタッチパネルから入力することが前提であり，音声入力で検索するニーズには応えられないという問題もある．本報告では音響モデルのみを用いたパターンマッチングによるワードスポッティングの枠組みの中で，従来法として連続DPを，提案法として距離マトリクス画像中からの直線検出によるワードスポッティングを新手法として両者の性能を比較検討した．その際，新手法における距離マトリクス画像の2値化しきい値を，S/N比や話者の声質に応じて適応的に調整する性能改善法を提案し，適合率90％における再現率と，再現率90％における適合率を用いて評価した結果，提案手法は従来法に比較して概ね5％程度改善できることを明らかにした．