異業種での映像情報メディア利用（第15回）社会インフラ検査のための画像処理技術（レーダ編）

摘要

我が国では戦後の高度成長によって築かれた社会インフラの老朽化が進み，現在はその維持管理が重要な課題となりつつある．社会インフラには，港湾施設や鉄道·道路（橋梁，トンネルを含む）などの交通インフラ，学校や公民館·官庁施設などの公共建造物，水道管や電柱·電線などの生活インフラなどさまざまなものがあるが，その多くが設置後すでに30年以上が経過している．特に鉄道関連施設の老朽化が深刻で，在来線のトンネルでは設置後60年を越えるものもある．また老朽化とは別に異常気象や火山噴火·地震等の自然災害による被害も深刻化しており，集中豪雨による土砂災害や河川氾濫などで多数の犠牲者が出ている．我が国における社会インフラの多くは国土交通省の管轄下にあり，関連各部局で点検や維持管理に関する法律が細かく整備されている（表1）．