光計測装置と記憶#12539;学習#12539;シナプスの可塑性

摘要

外界の情報をその学習則を使ってニューロンとニューロンの結合荷重空間に写し取ることが記憶の書込みであり，その構造を想起することが記憶の読出しである．海馬の神経回路は外界の出来事の時空間情報を学習し，一つの文脈として海馬CA1回路網の結合の重みの空間に一時的に記憶する短期記憶の場として知られている．そこではどのような学習則によってCA1回路網の荷重空間にどのように情報が記憶されるかが重要な問題である．本稿は電気刺激に対する海馬スライス標本のシナプス可塑性の光計測結果から実際に働いている学習則を導出し，モデルを構築することによってその情報処理機能を明らかにする．