Full-Duplex 自己干渉抑圧に適した回転対称アレーアンテナの評価

摘要

無線基地局における Full Duplex 通信を実現するため，著者らはエンドファイアアレー（EFA：End-Fire Array）アンテナとディジタルビームフォーミングを組み合わせた自己干渉抑圧法を提案し，解析的·実験的に評価を行っている．本手法では MIMO（Multiple-Input Multiple-Output）伝搬路間の振幅差が干渉抑圧効果の劣化を招くことが明らかとなっている．本報告では，前述干渉抑圧法のシナリオにおけるアンテナ配置として，幾何学的に伝搬路間の振幅差及び位相差が生じない回転対称アレーアンテナ（RSA：Rotationally-Symmetrical Array）を用いた干渉抑圧法を提案する．数値解析によりヌルステアリング後の残留干渉電力の評価を行い，受信アレー素子間隔が1波長，送信アレー長が 3 波長の場合において残留干渉電力の総和を-50 dB とするための送受信アレー間距離は，RSA ではEFAの 0.51 倍となることを明らかとする．