生体適合性の負電荷化合物を用いた 被膜型ナノ粒子の開発

摘要

近年の科学技術の進歩により,従来の低分子医薬 に加え,抗体やサイトカインなどのタンパク質を用 いた医薬品が数多く開発されている.さらには核酸 や遺伝子,細胞やウィルスを用いた新しいモダリ ティの医薬品が実用化されつつある. 我が国においても,プラスミドD NA(pDNA)を 用いた遺伝子治療薬であるコラテジェン?や, siRNAを用いた核酸医薬品のオンパットロ?が既Iこ 臨床で使用されている.現在猛威を振るっている新 型コロナウィルス感染症(COVID-19)に対しては, 従来の不活化ワクチンではなく mRNAやDNA, ウィルスベクターを用いたワクチンが盛んに開発さ れた.我が国で広く使われているのは,ファイ ザー/ビオンテック社とモデルナ社が開発した2種 類のmRNAワクチンである.今回の大規模な mRNAワクチン接種後のデータをもとに,遺伝子 治療薬や核酸医薬品の開発は加速度的に進んでいく ものと考えられる.