ウェルネス社会の実現に向けたヘルスケア情報処理技術

摘要

糖尿病，高血圧症，脂質異常症などの生活習慣病の増加は，日本のみならず世界各地において大きな社会問題になっている。限られた医療資源の中で生活習慣病を抑制するためには，生活習慣の改善による疾病予防の取組みが重要である。我々は，健康的な生活を実践できる社会「ウェルネス社会」の実現を目指し，疾病予防に関わる技術開発に取組んでいる。ウェルネス社会の実現には，健康に関わる様々な観察データや行動データを収集するセンシング技術と，それらのデータから課題や解決策を抽出する分析技術と，そのモデル化された結果を用いて実社会にフィードバックする応用技術の開発が必要になる。本報告では，リストバンド型ライフレコーダー，生活習慣改善プログラム「はらすまダイエット」など，我々が開発を進めてきた技術を，様々な応用事例を交えながら紹介する。