地球温暖化対策の現状と今後の課題

摘要

国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)における究極的な目標は，「気候変動に大きな影響を与えないレベルでの温室効果ガス濃度の安定化を図ること」とある．2005年2月に発効した京都議定書は，その究極的な目標に向けての一歩であり，わが国は第一約束期間において1990年の温室効果ガス排出レベルから6％削減することが義務となった．さらに，究極的な目標に向けた長期的な視点から第一約束期間の後，いわゆる「ポスト京都」における将来的な枠組みの議論も開始されている．地球温暖化対策は，長期的な課題であると同時に，何か単一の対策で対応しきれるものではなく網羅的な対応が必要とされるものである．国際的な場における現状の評価と今後の課題について概観する．