急速攪拌の適正化による河川表流水の凝集沈澱処理に関する研究

摘要

凝集沈澱の処理性を高める上で、凝集剤注入後における急速攪拌強度G_R値及び急速攪拌時間T_R値の適正化を図ることは非常に重要である。海老江らは、カオリン懸濁試料水を用いた回分式凝集沈澱実験から、凝集剤ポリ塩化アルミニウム（PAC）に適正なG_R値及びT_R値は、現に浄水場で多用されている数値より大きな450s~(-1)及び5min辺りにあると報告している。本論では、河川表流水を対象に回分式凝集沈澱実験及び実際の浄水施設を使用した連続凝集沈澱実験を行い、濁度、STR、及び微粒子の径と個数濃度とによって処理性を評価した。その結果、河川表流水を対象とする場合にも、海老江らの指摘通り、G_R値の上昇及びT_R値の延長は処理水の濁度やSTRなどの処理性を大幅に改善する上で極めて有効な方法であることが検証された。