有機金属分解法を用いたMo置換Coフェライトの作製と評価

摘要

最近，スピネル型フェライトのーつであるコバルトフェライトを，単結晶基板上にエピタキシャル成長させた薄膜が大きな磁気異方性を示すことが報告され，注目されている．一方で現在，スピン軌道相互作用を用いた高磁気異方性の発現についても提案がなされている．これは，特定の電子配置·原子番号を持つ4d遷移金属元素を導入することでスピン軌道量子数を増大させ，さらなる磁気異方性の発現をねらうものであるが，様々な試料の組成や作製法を検証していく必要がある．本研究では，有機金属分解法を用いて、4d遷移金属の一つであるMo元素を置換導入したコバルトフェライト薄膜を作製し，磁気特性等についての評価を行った．