大規模放送映像アーカイブにおける映像断片照合の提案と高速化

摘要

本論文では，大規模映像アーカイブからの重要な映像の検出，映像間の関連性の発見等に利用できる映像断片照合手法を提案する．ここでの映像断片照合とはテロップなどの後から加えられた編集によらず，同一の映像ソースを用いた映像対同士を検索することである．映像断片照合として，映像に含まれる画像同士の正規化相互相関を用いた定義を行った．本手法の適用対象として，数千時間分の蓄積容量を持ち，複数のチャンネルから映像ストリームを同時に獲得し続けるような放送映像アーカイブで運用可能とすることを想定することとした．その上で定常的に映像断片照合を運用するのを目的とした高速化手法の検討を行った．正規化相互相関を十分に精度良く近似する特徴量として，正規化輝度ヒストグラムを提案し，実験によりその作成パラメータの最適化を行った．ヒストグラム間距離比較にSR-Treeを用いて高速化を図った上で，大まかな速度評価を行った．