プログラミング教材としての人工生命ゲームの開発

摘要

初心者向けのプログラミング教材には文字列処理や数値計算等の演習課題が多く，これらの教材はプログラムの基本概念やプログラミング言語の文法を簡潔に表現できる利点を持つ．しかしながらこれらの教材の出力は静的で単純なため，学習者の興味を起こさせ難く，そのプログラムは定型的である．その欠点を補うためライフゲーム型のプログラミング教材を開発した．このゲームのコマは単細胞生物のように分裂，移動し，他のコマと生き残りの競争を行う．プレーヤーはコマの行動をプログラムする．このゲーム型教材の狙いは，プログラムへの興味を起こさせること，他者との協力を促すこと，プログラムの創造的面を体験させることである．この狙いを提案教材でどのように達成しようとしたか本稿では述べている．そしてアンケート調査により狙いがどの程度達成できたかを示している．