労働意欲の向上とその持続が生産性を上げる：第5回 人件費

摘要

前回は品質管理において意識を高めるということをお話ししました。自動化でできている製品は、人間が介在しませんから、機械が壊れるなどのハプニングがなければ不良品も出ません。ただ、最終的に不良品を防止するために、多くの工場では、目視による検査を行っています。各作業員の自覚が高ければ、この目視検査の工程が何回もあることと同じであり、不良の防止に役立ちます。そこで、「品質向上カード」という紙で、作業者の自覚を高めたり管理者が情報共有を図る方法をご紹介しましょう（図表－1）。使い方は簡単です。1人の作業員につき1枚のカードを、常に作業姿勢より高い位置にぶら下げておきます。班長や管理者が見回っている最中や通りすがりに不良品を見つけた場合、作業者の同意を得たうえで、カードのAの部分を、むしりとります。さらに不良品が見つかれば、Bの部分をむしり取ります。このカードがあれば、いつでも誰でも不良品がその時点でいくつ発生したかを知ることができます。そしてこのカードがぶら下がっていることによって作業者の意識が高まり、製品を見るその見方が変わってきます。