車のLCA：環境·リサイクル対応インパネの開発

摘要

本稿で解説するインパネの従来の構成材料は，表皮にPVC，クッション層にポリプロピレンフォーム（以下PPF），ファンデーション（骨材：以下FD）にABS（アクリルニトリローブタジェン－スチレン）の3種類の樹脂が3層に接着されている（図1）．成形工程は，FDをインジェクション（樹脂溶融射出）成形する（図2）．このとき後工程の真空成形で必要な真空穴も型で鋳抜き成形される．次に別工程でPVC表皮とPPフォームの貼り合わせ（ラミネート：以下ラミ）シートを加熱軟化し，あらかじめ接着剤を塗布したFDを真空成形型にセット，軟化シートをFD形状に真空引きして，賦形と同時に接着させる（図3）．その後，メータバイザ，デフロスタ（エア吹出し）などの部品取付け開口部の不要ラミシートをトリミングして，製品とする．トリミングされたシートは従来，焼却処理ではダイオキシンが発生，リサイクルしようとしても異種材構成のため分別が大変なため，産廃埋立て処理されていた（図4）．また，製品の不良，廃車時の処理も同様である（図5）．