自動車ボディのアルミニウム化と新しい技術

摘要

地球温暖化問題がここ数年，以前にも増して注目され，自動車の燃費向上への要求がますます高まっている。 一方，安全性や運転性能向上の要求から自動車の重量は増加する傾向にあり，燃費を悪化させる要因となっている。 自動車の軽量化は燃費改善の重要な手段であることから，各自動車メーカーで様々な取り組みがなされ，部品のアルミニウム化も積極的に検討されている。 部品毎のアルミニウム化状況を見てみると，パワートレイン系の部品（ダイカスト等の鋳物）および熱交換器については，既にアルミニウム化がかなり進んでいる。 ここ数年では，車体部品もふた物（Add onpartsもしくはHang on partsとも呼ばれる）を主としてのアルミニウム化が進められており，また，足回り部品についてもアルミニウム鍛造品の採用が広がっている。地球環境問題への対応から自動車の軽量化は今後も確実に進んでいくと考えられる。 この報告では，自動車の排出ガスもしくは燃費にかかわる法規制と車体のアルミニウム化について最近の動向を述べ，合わせて車体のアルミニウム化を促進するために導入されている新しい技術についても述べる。