高カアルミニウム合金押出材の用途とその技術的課題

摘要

高カアルミニウム合金は比強度が優れるため，航空機や2輪·4輪用には有用な材料である。 とくに，三元合金は薄肉·中空押出が可能であるため，地球環境と省資源の問題から端を発する今後の軽量化ニーズに応えるために有望な材料であり，用途拡大が期待される。 そのためには, 素材面でもクリアしなければならない課題も多い。 供給面では，製造コスト削減が重要である。 このためには，押出速度の向上，工具寿命の延長について，今後さらに努めて行かねばならない。 また，応用面では，腐食対策と靭性改良が重要となる。 耐応力腐食割れ性を向上させる技術が開発されたことに伴って，高Zn材が実用化されるようになってきたが，このような材料は一般的に靭性が低くなる傾向にある。 防食技術及び靭性に関する一層の研究開発が期待されている。