階層的自己組織化マップを用いたカラー量子化による画像の領域分割

摘要

本研究は，自己組織化マップ(SOM)を用いた画像のカラー量子化とそれに基づく画像の領域分割について述べる．本研究では，テクスチャ特徴を用いずにカラー量子化のみでカラー画像の大まかな領域分割を行うことを試みる．このため本研究では，Ongらが提案したSOMを用いるカラー量子化法を改良した，改良型階層的SOMを提案する．提案手法においては，前処理として非等方的拡散を用いたエッジ保存平滑化を用いることで小領域の発生を抑えて大まかな領域分割の実現を目指すとともに，新たな距離測度や局所フラクタル次元(LFD)特徴を取り入れることでより安定した競合学習の実行を試みる．本手法により従来法よりも良好な量子化結果を得ることができる．