鶴田ダム再開発の計画と設計施工：国内最大規模の施設改造工事

摘要

鶴田ダムは，川内川のほぼ中央部（河口から約51km）に位置し昭和41年3月に治水と発電を目的とした多目的ダムとして建設された。薩摩地方北部では，平成18年7月の記録的な豪雨により上流から下流に至る3市2町で甚大な被害が発生し，川内川流域で激特事業が採択された。鶴田ダムは，この水害時に下流の洪水被害を軽減したが，水害直後は批判的な意見もあった。しかし最終的に地元から「ダムの治水機能を強化してほしい」と要望が出され激特事業と相まって川内川流域の洪水被害を軽減するために平成19年度より鶴田ダム再開発事業に着手している。鶴田ダム再開発事業は，洪水調節容量を増量するために3本の放流管増設と2本の発電管の付替及び減勢工の新設及び改造を行うものである。