気管支情報に基づく胸部マルチスライスCT画像からの肺野区間の分類に関する初期的な検討

摘要

マルチスライスCTの開発によって3次元的な画像解析が可能となり，3次元画像に対する様々な処理方法の開発が求められている．肺野区間を自動的に分類することは，臨床診断において病変が存在する肺の区間を特定することができ，病変の解析に有効な情報を提示できると思われる．肺は葉間裂により区間が分かれているが，スライス画像において葉間裂は空気領域と濃度値にほとんど差がないため閾値処理だけで抽出することは困難である．本論文では，胸部マルチスライスCT画像を使用し，区域気管支がそれぞれの肺葉の内部に存在することに注目した肺野区間の自動分類を行うアルゴリズムについて述べる．